特殊建築物等定期調査・建築設備定期検査とは
1.特殊建築物等定期調査・建築設備定期検査とは
建築基準法第12条により特定行政庁の指定する建築物の所有者・管理者は、 専門技術を有する資格者に調査・検査をさせ、その結果を定期に報告しなければならないと定められています。
調査・検査が適切に行われなければ、火災や地震等で思わぬ事故につながり、社会的責任を問われる可能性があります。
建築物の維持保全、定期報告は所有者・管理者に課せられた義務であり、適切に行われなかった 場合には罰則の対象となります。
- 特殊建築物等定期調査…1年に1度(百貨店、料理店等)もしくは3年に1度
- 建築設備定期検査…1年に1度
この調査および検査報告は、火災・地震等の災害において特に人命の安全の確保および財産の保全を図ること、また日常において建築物の維持保全を図ることを目的としています。
2.調査及び検査ができる技術者
下記の資格のうち、どれかを有する技術者により調査および検査を行わなければなりません。
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- 特殊建築物等定期調査
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- 一級建築士および二級建築士
- 建築基準適合判定資格者
- 特殊建築物等定期調査資格者
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- 特殊建築物等定期調査
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- 一級建築士および二級建築士
- 建築基準適合判定資格者
- 特殊建築物等定期調査資格者
3.調査・検査を行わなかった場合の罰則
特定行政庁から通知が届いているのに調査および検査を行わなかった場合、建物の所有者(又は管理者)は下記の罰則が科せられます。
- 100万円以下の罰金(建築基準法第101条による)
※さらに罰金を支払った上で、調査および検査報告を行わなければなりません。
また、報告業務を怠り不測の災害が起こり死傷者が発生した場合、刑法および民法により罰せられます。
- 5年以下の懲役若しくは禁固、または100万円以下の罰金(刑法第211条による)
- 損害賠償の発生(民法第709条および第717条第1項による)
<罰則事例>
歌舞伎町雑居ビル火災(平成13年9月1日) 44名死亡
- 煙感知器連動防火戸の閉鎖不良。
- 非常用進入代用口が看板などで塞がれていた。
- 階段室に物品が放置され救助活動を阻害した。
この事件により建物所有者は業務上過失致死傷罪に問われ、東京地裁で禁固3年、執行猶予5年の有罪判決が確定しました。
大阪個室ビデオ店放火事件(平成20年10月1日) 16名死亡
- 排煙のために設けられているはずの窓が、内側から石膏ボードで閉塞されていた。
- 通路の壁面に不燃材が不使用。
- 個室内に誘導灯など非常用照明が未設置。
ビデオ店経営者やビル所有者らは立件はされませんでしたが、建築基準法上に違反しています。
4.特殊建築物等定期調査の主な調査内容
特殊建築物等定期調査の主な調査内容は下のページをご覧ください。
5.建築設備定期検査の主な検査内容
建築設備定期検査の主な検査内容は下のページをご覧ください。