看板落下事故を防ぐ
広報の成田です。
特殊建築物等の定期報告担当の成田は1年で1番忙しい時期を迎えており、人数を増員して検査に伺ったり対応しております。
定期報告の提出が9月末までなので(建物用途などによります)、この時期にご依頼が集中します。
夜間の検査なども入りますので、日中ご連絡をいただいても不在だったりとご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。
さて、2015年2月に札幌駅前の飲食店ビルの看板の一部が落下し、下を歩行中の女性に当たった事故はまだ記憶に新しいかと思います。
今年3月のニュースで、飲食店副店長が業務上過失致傷罪に問われ、被害を受けた女性は現在も意識不明との報道が伝えられました。
報道を見ると、事故2時間前に金属部品が落ちていたと通行人から通報があったようです。
当日風も強かったことから、別の部品等が落ちてくることも認識できた、コーン設置などで通行人に注意を呼びかければ事故は防げたかもしれない、との事で副店長に有罪判決が出ました。
また、事故発生後に国交省が調べたところ、類似の看板落下事故が2015年6月~2016年9月の1年3か月で、全国で41件起きていたことがわかりました。(参考:2016/10/31朝日新聞)
詳しい状況を知らないので判例のひとつとして報道を見ていましたが、この事故があったビルは定期報告対象の特殊建築物で、調査項目にも「外壁に緊結された広告版、空調室外機等」というチェック項目があります(札幌市の場合)。
また屋外広告物法に基づく条例により、1~3年に1回の点検報告も必要です。
こちらは弊社が定期調査・検査を行った商業施設の屋外照明やスピーカーですが、外壁に錆汁が流れた跡が見られます。
留めている金物が錆びている証拠です。
ここまで進行してしまうとおそらく照明・スピーカー本体も錆びて劣化している可能性が高く、ボルトなどの交換だけでは済まず、外壁の錆汁の跡も美観上、清掃もしくは塗り直しが必要になるのではないでしょうか。
これが頭上に落ちてくるかもしれないと思うととても怖いです!
定期報告は3年に1度ですが、3年の間に何かの衝撃(地震など)でひび割れたり、ボルトが緩んだりすることも考えられます。
定期調査・検査は必須、加えて日々のチェック&メンテナンスで歩行者や利用者の安全を守ると共に、所有者(今回書いた事故の場合は副店長でしたが)自身も守っていきましょう!